部活動は勉強にはマイナスか? [高校生の日々]
昨日の夕食時に、我が家の一人息子のメイが「文武両道は無理だった」とポツリと言いました。
メイは中高一貫校に通う高校2年生です。彼は中学1年から同じ運動部に所属していました。その運動部の秋の大会が11月の上旬に終了し、部活動を引退したばかりなのです。メイの中高一貫校では、おそらくどの一貫校もそうでしょうが、部活動の引退は高校2年です。
学校からは一学期に引退する生徒が多いと聞きました。それに比べると、メイは3か月長く部活動をしたことになります。メイは高校2年になってからは腰痛に悩まされ、あまり試合には出ることはできなかったのですが、部活動は最後まで続けました。
勉強中心の一貫校ですから、部活動は週に一度は休みでした。また、長期休暇以外の休校日には基本的に活動はありません。それでも体を使うわけですから疲れます。部活動の日には帰宅後にはあまり勉強はできませんでした。夏休みなどの長期休暇も、部活動がありますから勉強に集中はできていなかったようでした。
勉強時間においては、勉強一本に集中している特進系のクラスの生徒たちと比べると圧倒的に少なく、思うように勉強時間が取れなかった。昨日の夕食時にメイが言いたかったことはそういうことでしょう。
勉強のことだけ考えれば、メイたちが部活動をしている時間にしっかり勉強している生徒たちにはかないません。メイも部活動にとられた時間を勉強に充てられていれば、成績はもうすこし良かったと思います。
しかし、クラブ活動にとられた時間が必ずしも勉強時間になるとは限りません。何もわからずに勉強していた中学受験時代とは違い、中高時代には興味の対象が広がります。メイの場合、もし部活動をしなかったらきっと余った時間を勉強以外のことに費やしていたと思うのです。ゲームやテレビなどで浪費していた可能性も高かったと思います。
そう考えるのは、勉強に対する目的意識とモチベーションが高ければメイの所属したクラブの拘束時間程度であれば十分に勉強時間は確保でき、優秀な成績を取ることは可能だったと思うからです。
文武両道を達成している生徒は存在します。彼らは勉強に対する目的意識が高いのだと思います。学校での勉強が自分の目的達成のための手段であることを明確に理解しているのでしょう。こういた生徒達にとっては、部活動云々は大した問題ではないはずです。もし部活動が彼らの目的の障害であるのなら、彼らはきっと部活動を止めます。
メイが部活動で勉強時間を確保できなかったのは勉強に対する意識が高くなかったからです。メイのような生徒が部活動をしなければ、放課後と長期休暇での有り余った時間を勉強以外のことに使うのは自明な事のように思うのです。
学校では文武両道を達成した生徒を積極的に取り上げて宣伝します。だからメイも何か負い目のようなものがあるのかもしれません。
しかし、ごく普通の中高生は、学習に対する意識が高いと思える中高一貫校に通う生徒であっても、明確な人生のビジョンを持ちそれを達成するために勉学に励むような生徒はそれほど多くはないはずです。高校生になり、学校のガイダンスを受け、文系か理工科の決定をし、それでも詳細な方向については迷っているのが普通だと思います。
ですから、部活動に積極的に参加すると勉強時間は少なくなり、どうしても勉強一本で集中している生徒たちより成績が劣ってしまうのは仕方がないと思うのです。
それでも部活動をする価値はあるのです。勉強は大切ですが、中高時代の部活動で得られる経験もとても大事です。それはその時にしか経験できない尊いものです。僕も妻もメイの部活動には満足しています。
もちろん、成績に関しては誤算なのですが、学校の説明によると運動部参加者の方が相対的に大学進学の実績が良いという事実もあるのです。これは、一部の文武両道を高いレベルで達成してしまう目的意識の高い生徒たちだけの話ではないはずです。
それではなぜ運動部に参加していた生徒たちの成績が相対的に良くなるのでしょうか。
メイには文武両道を達成できるほどの強い目的意識を勉強に対して抱いていなかったことは事実でが、もし部活動をしていなければ、その時間が勉強に振り向けられなかっただけでなく、勉強に対する興味をすら失ってしまった可能性もあります。中高生が勉強以上に興味をひかれるものはいくらでもあるのです。
しかし、部活動をしていたおかげで、メイは学校中心の中高生活を送りました。わき道にそれなかったのです。
学校では生徒たちに勉強をするように常にプレッシャーをかけています。学校の父兄会では、勉強のことは耳にタコができるほど学校で子供たちに言うから、家庭で「勉強しろ」という必要はないと言われたほどです。ですから生活の中心が学校にある限り、それは常に「文武両道」を意識しなければならない環境であるのです。
その環境がメイに「文武両道は無理だった」と言わせたのでしょう。しかし、メイは活動を後悔しているわけではありません。「文武両道」達成できませんでしたが、やりきったという満足感があるはずです。
しかし、その代償として十分な勉強時間を取れなかったという意識が、その勉強に対するやり残し感が、部活動を終えた後の450~500日余りの日々を勉強に集中させるのではないでしょうか
4年半遊んでいたわけではありません。難関模試では成績は芳しくありませんが、全く勉強ができないわけではありません。今スパートをするだけの学力はある。そして運動部での達成感と、そこで培った体力も450日以上のロングスパートを支えてくれるはずです。
それらが最終的に良い結果に導いてくれるのではないかと思うのです。
これは僕の期待を込めた仮説ではあるのですが、僕はそう信じてメイの受験勉強を見守りたいと思います。これから変えられる未来だけです。未来にはポジティブでいたいのです。
メイは中高一貫校に通う高校2年生です。彼は中学1年から同じ運動部に所属していました。その運動部の秋の大会が11月の上旬に終了し、部活動を引退したばかりなのです。メイの中高一貫校では、おそらくどの一貫校もそうでしょうが、部活動の引退は高校2年です。
学校からは一学期に引退する生徒が多いと聞きました。それに比べると、メイは3か月長く部活動をしたことになります。メイは高校2年になってからは腰痛に悩まされ、あまり試合には出ることはできなかったのですが、部活動は最後まで続けました。
勉強中心の一貫校ですから、部活動は週に一度は休みでした。また、長期休暇以外の休校日には基本的に活動はありません。それでも体を使うわけですから疲れます。部活動の日には帰宅後にはあまり勉強はできませんでした。夏休みなどの長期休暇も、部活動がありますから勉強に集中はできていなかったようでした。
勉強時間においては、勉強一本に集中している特進系のクラスの生徒たちと比べると圧倒的に少なく、思うように勉強時間が取れなかった。昨日の夕食時にメイが言いたかったことはそういうことでしょう。
勉強のことだけ考えれば、メイたちが部活動をしている時間にしっかり勉強している生徒たちにはかないません。メイも部活動にとられた時間を勉強に充てられていれば、成績はもうすこし良かったと思います。
しかし、クラブ活動にとられた時間が必ずしも勉強時間になるとは限りません。何もわからずに勉強していた中学受験時代とは違い、中高時代には興味の対象が広がります。メイの場合、もし部活動をしなかったらきっと余った時間を勉強以外のことに費やしていたと思うのです。ゲームやテレビなどで浪費していた可能性も高かったと思います。
そう考えるのは、勉強に対する目的意識とモチベーションが高ければメイの所属したクラブの拘束時間程度であれば十分に勉強時間は確保でき、優秀な成績を取ることは可能だったと思うからです。
文武両道を達成している生徒は存在します。彼らは勉強に対する目的意識が高いのだと思います。学校での勉強が自分の目的達成のための手段であることを明確に理解しているのでしょう。こういた生徒達にとっては、部活動云々は大した問題ではないはずです。もし部活動が彼らの目的の障害であるのなら、彼らはきっと部活動を止めます。
メイが部活動で勉強時間を確保できなかったのは勉強に対する意識が高くなかったからです。メイのような生徒が部活動をしなければ、放課後と長期休暇での有り余った時間を勉強以外のことに使うのは自明な事のように思うのです。
学校では文武両道を達成した生徒を積極的に取り上げて宣伝します。だからメイも何か負い目のようなものがあるのかもしれません。
しかし、ごく普通の中高生は、学習に対する意識が高いと思える中高一貫校に通う生徒であっても、明確な人生のビジョンを持ちそれを達成するために勉学に励むような生徒はそれほど多くはないはずです。高校生になり、学校のガイダンスを受け、文系か理工科の決定をし、それでも詳細な方向については迷っているのが普通だと思います。
ですから、部活動に積極的に参加すると勉強時間は少なくなり、どうしても勉強一本で集中している生徒たちより成績が劣ってしまうのは仕方がないと思うのです。
それでも部活動をする価値はあるのです。勉強は大切ですが、中高時代の部活動で得られる経験もとても大事です。それはその時にしか経験できない尊いものです。僕も妻もメイの部活動には満足しています。
もちろん、成績に関しては誤算なのですが、学校の説明によると運動部参加者の方が相対的に大学進学の実績が良いという事実もあるのです。これは、一部の文武両道を高いレベルで達成してしまう目的意識の高い生徒たちだけの話ではないはずです。
それではなぜ運動部に参加していた生徒たちの成績が相対的に良くなるのでしょうか。
メイには文武両道を達成できるほどの強い目的意識を勉強に対して抱いていなかったことは事実でが、もし部活動をしていなければ、その時間が勉強に振り向けられなかっただけでなく、勉強に対する興味をすら失ってしまった可能性もあります。中高生が勉強以上に興味をひかれるものはいくらでもあるのです。
しかし、部活動をしていたおかげで、メイは学校中心の中高生活を送りました。わき道にそれなかったのです。
学校では生徒たちに勉強をするように常にプレッシャーをかけています。学校の父兄会では、勉強のことは耳にタコができるほど学校で子供たちに言うから、家庭で「勉強しろ」という必要はないと言われたほどです。ですから生活の中心が学校にある限り、それは常に「文武両道」を意識しなければならない環境であるのです。
その環境がメイに「文武両道は無理だった」と言わせたのでしょう。しかし、メイは活動を後悔しているわけではありません。「文武両道」達成できませんでしたが、やりきったという満足感があるはずです。
しかし、その代償として十分な勉強時間を取れなかったという意識が、その勉強に対するやり残し感が、部活動を終えた後の450~500日余りの日々を勉強に集中させるのではないでしょうか
4年半遊んでいたわけではありません。難関模試では成績は芳しくありませんが、全く勉強ができないわけではありません。今スパートをするだけの学力はある。そして運動部での達成感と、そこで培った体力も450日以上のロングスパートを支えてくれるはずです。
それらが最終的に良い結果に導いてくれるのではないかと思うのです。
これは僕の期待を込めた仮説ではあるのですが、僕はそう信じてメイの受験勉強を見守りたいと思います。これから変えられる未来だけです。未来にはポジティブでいたいのです。
コメント 0